工場探しの前にチェック!騒音トラブルについて

2022年3月10日

工場としての用途で物件を利用する場合には、騒音や臭気について注意が必要になる場合があります。
今回は、工場の騒音トラブルについて、騒音の基準やよくあるトラブル、対策方法の解説をしていきます。

 

1.貸工場探しの前に確認してトラブル回避!騒音規制法について

周辺環境への音という問題は、物件をお探しのお客様の多くが気にかけている部分だと思います。
物件を借りたはいいが、その後、騒音トラブルが発生してしまったら、思うように事業が進まなくなってしまうことも考えられます。

貸工場(もしくは貸倉庫)をお探しのお客様の物件の使用方法によって、騒音規制法の規制の範囲に入ってしまう可能性があります。

まず、騒音規制法とは何を目的とした法律なのか、下記にて説明します。
騒音規制法は、「工場、作業場や建設作業から発生する著しい騒音を規制するとともに、自動車から発生する騒音の許容限度を定めることにより、人々の生活環境を保全し、健康を保護する為」、昭和43年に制定されました。
規制の内容は、工場・事業場、建設作業、自動車といった大きな音が発生するものについて規制の対象を定めています

著しい音を発生する施設に関しては特定施設として、騒音について規制する区域を指定区域として定め、指定区域内で特定施設設置する場合には、市町村長や特別区長への届け出が必要となります。

規制を超えた音が発生し、近隣トラブルになった場合には罰則や慰謝料の可能性があるため、対策が必要です。

お探しの優先順位として、ご自身にとって利便性の良い土地で探すことを優先し、騒音への対策を考慮するのか、工業系の比較的規制の緩い立地でお探しになるのかという判断も必要になる為、事前に確認をしておくと安心ではあります。

今回は東京都環境局の掲載情報を例として特定施設や規制の基準値のご紹介をします。

東京都内でも市区によって基準が異なります。詳しい内容は、各自治体がHPのご確認をお勧めします。
「都道府県名 騒音基準」などで検索すると分かります。

使用している機械は対象?騒音規制法の特定施設について

騒音規制法では、大きな音を発生させる機械を特定施設として定めています。
東京都環境局が示している機械を記載するので参考にしてください。

・金属加工機械(圧延機械・製管機械等)

・空気圧縮機及び送風機(原動機の定格出力が7.5kw以上のものに限る)

・土石用または鉱物用の破砕機、摩砕機、ふるい及び分級機(原動機の定格出力が7.5kw以上のもの  に限る)

・織機(原動機を用いるものに限る)

・建設用資材製造機械(コンクリートプラント・アスファルトプラント)

・穀物用製粉機(ロール式のもので原動機の定格出力が7.5kw以上のものに限る)

・木材加工機械(ドラムパーカー・チッパー等)

・抄紙機

・印刷機械(原動機を用いるものに限る)

・合成樹脂用射出成型機

・鋳型造型機(ジョルト式のものに限る)

などが挙げられています。

※東京都環境局 騒音規制法の特定施設、 振動規制法の特定施設より

 

規制基準値について

工場・指定作業場の敷地と隣地との境界線における音量の基準で

時間帯デシベル
朝6時から8時40から60デシベル
昼8時から19時45から70デシベル
夜19時から23時40から60デシベル
深夜・早朝23時から6時40から55デシベル

以上が規制範囲内とされています。

これら基準値は区域により変動があります。

簡単に区域の説明をすると、基準を設ける範囲が住環境ごとに
閑静な住宅街が多い第1種区域、住宅街が多い第2種区域、商業地域を含む第3種区域、工業地域を含む第4種区域と4つの区域に分けられています。
区域ごとの詳しい基準や時間の区切りなどは自治体により変わるので、検討するエリアごとに確認が必要です。
今回例としている東京都環境局の詳細情報は 騒音基準値よりご確認いただけます。

 

2.騒音トラブルは騒音規制法の対象以外にも

騒音規制法の以外に、物件紹介サイトとしての視点からも騒音問題となりやすいもの、物件探しの段階から考慮しておいた方がいいものの情報を提供します。

規制の範囲内であっても、人それぞれ、常識の範囲は違います。

その差がクレームを生み、トラブルに発展することも多々あります。

よくあるトラブルの例と、その対策法をご紹介させて頂きます。

 

工場や倉庫に出入りする車両のエンジン音

意外と多いのが、工場や倉庫に出入りをする車両に対する騒音トラブルです。
冷蔵庫付きのトラックなどエンジンを切ることが出来ない場合や、熱中症対策などの観点からアイドリングを禁止することが難しい場合など、長時間にわたってエンジンを切らずに駐車しているケースはクレームになる可能性が高くなります。
また、車両の出入りが頻繁な場合や、早朝深夜に車両の出入りがある場合などはクレームになることがあります。

上記に当てはまるケースの場合には、工業系の地域に絞って物件のお探しをして頂くか、事前に貸主等に今までにクレームがあったかどうかの履歴を確認して、その上で判断をするなど、準備をすることが望ましいです。

 

従業員の話し声

工場に限った話ではありませんが、従業員の話し声のトラブルも多いです。
住宅街近くで工場を運営したい場合には、事務所や休憩所がある工場選びをするのも一つの手です。

 

大型のコンプレッサや室外機の音

工場内の機械に対して、工場の外に大型のコンプレッサや室外機を置くケースもあります。
その音が原因で、騒音トラブルになることも。
そういった場合には、コンプレッサや室外機を囲うように仕切りを作って防音をしたり、プレハブの中に入れるなど、外に音を漏らさない工夫が必要なケースもあります。

 

3.騒音クレームがきてしまった場合には

十分な対策を行っていてもクレームが来てしまった場合、多くは改善勧告や騒音調査が各自治体から行われます。

従わないと、最悪の場合罰則や高額な慰謝料を求められることもありますので、誠意をもって対応して頂くのが宜しいかと思います。

 

4.まとめ

今回は貸工場を探す際に注意しておきたい騒音規制や騒音トラブルについて解説しました。
騒音規制法と各自治体が示す基準を確認してみてください。

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